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たいがのゆううつ

このサイトはマイペースに二次創作や漫画・小説などを淡々と更新していきます。過度の期待はしないでください。あとPCのデスクトップから3m離れて見やがってください。

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涼宮ハルヒの憂鬱の二次創作を中心でやっていく方針です。あと自身の日々の徒然なる日記好きなラノベの紹介等も書いていきます。

社会人になり5年経ち、色々と考えなければいけない時期に来ているかも

最近はラブライブの曲ばかり聴いています
ラブライバーに、私はなりたい・・・

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製本作業完了。これから連続SS投稿します その二

さらに沙織SSの続きを載せます

ここは少し長い場面です
多分ここが一番の修羅場だと思われるかと

翌日日曜。某高層マンションの一室で暗い顔をした清楚なお嬢様が一人住んでいた。
そのお嬢様は膝の上にたたまれた地味な色つきのワイシャツを怨めしそうに、そして何かに怯えるように眺めていた。

「…もうすぐ、あの方が来てしまう。部屋は片付けたけど……」

そう、あの日の帰宅後。すぐに自室だけでもホコリ残らず片付けをした。もちろん彼女の嫌いなオタクグッズは見えない場所に隠して。
しかし、重要な事を忘れていた。それは過去に彼女に自分の家の事情を話してしまったことだった。言うまでもなく住んでいるマンションが実は親の所有物で、その部屋すべてが自分の部屋だということも。そしてその部屋のほとんどは沙織のコレクションの展示となっているのだ。
こうなれば自分が他の部屋に彼女を移動させないようにすればいいのだが、今の沙織にそのようなことができるのか?

「こ、こうなれば『これ』をつけるしか……。しかし『これ』は…………えい! 迷っている暇はありません!」

沙織は真っ黒なサングラスをかけた。その途端妙な落ち着きをみせ、目線を玄関の方に向けた。

「大丈夫だ、沙織。私が何とかしてやる。なんとしてでもお前の趣味を彼女に知らせないようにしてやる。……そうだ、私に任せろ」

その人物は沙織を落ち着かせるように言った。その姿は威風堂々そのものだった。


「えっと、ここだよな? 住所はここで合っているはずなんだけど……」

彼女は唾をゴクリと飲んだ。天まで届く……まではいかないが、一般市民からすれば手の届かないぐらいの家賃を取られそうな大型の高層マンションだった。
もちろん彼女の自宅も麻布などに建てられているものと大差ない自宅を所有しているが、目の前の建物はそれを遥かに凌駕していた。

「話は本当だったんだな、沙織。お前、やっぱすげぇよ」

自然と感嘆を漏らした。改めて槇島沙織という存在がどれだけ凄いのかが身に染みてくる。
やはり先週のあの「人物」は別人だったのだ。あんな奴が沙織なはずがない。そう自分に言い聞かせ、彼女は長い回廊を経て玄関へと向かった。

「あ、そういえばあいつの部屋番号聞いてなかったな。どうすっかな、あいつの携帯番号聞くの忘れてたし」

おまけに先のガラス張りのドアは暗証番号を入力しなければ開かないものだった。試しに適当に数字を入力してみるがもちろん開かない。さすが沙織のマンション、見事な防犯システムを搭載している。
その時、内部から背の高い女性がこちらに向かって歩いてきた。かなり過激な絵柄のティーシャツに薄いジャケット、青色のジーパン、それに紫外線対策用の真っ黒なサングラスをかけた女性だった。
傍から見ると激しいロックミュージシャンのようだった。

――お? これはチャンスじゃね? 開いた瞬間に入っちまえばあとはくまなく部屋を探せばいいだけだし

彼女は物陰に隠れいつもの悪戯する時のように笑い、女性が通り過ぎるのを今か今かと待っていた。
女性がゆっくりとドアを開ける。

――よし、今だ!

ドアが開いた一瞬を逃さずかいくぐった……はずだった。

「こら! なに勝手に人の家に入ろうとしている!」

「ひっ! ごめんなさい!」

怒鳴られると同時に何かにすそを引っ張られて身動きが取れなくなった。移動した瞬間に怒鳴られたものだから反射的に謝ってしまったようだ。
後ろを振り向くと、先程のサングラスをかけた女性が悠然と構えていた。その異様な威圧感に彼女は腰を抜かしそうになった。

「ふむ、これは警察に預けた方がよさそうだな。不法侵入は立派な犯罪だからな」

「も、申し訳ございません! どうか警察だけは!」

彼女は深々と頭を下げた。
警察の世話だけは嫌! と言いたいくらいの必死さで叫んだ。それもそのはず。彼女も容姿や性格こそ教師などに難があると言われているが、それでも立派なお嬢様学校に通っているのであり、公の場で犯罪を犯すことなど絶対にあってはならないのだ。
それ故今の彼女は必死なのである。

「……っぷ、くくく」

「……え?」

「あっははははは!」

サングラスをかけた女性は高々と声を上げ腹を抱えて笑っていた。彼女は何が起きたかわからないのか頭上に「?」がついているような表情で呆気にとられていた。

「はははは! ……ふぅ、これはすまない、まさか貴殿がそんな反応をするとは思っていなかったものでね」

「えーと、これはどういう……」

「沙織も悪戯が過ぎるな。貴殿の性格を知っててわざと私に迎えさせるのだからな」

「え? 沙織って? ……ということは、もしかして」

「そう、私は沙織の親戚、というか沙織の姉貴をしている香織という者だ」

「あ、姉って……え、えーーー!?」

「ふむ、ここで立ち話もあれだから中に入ろうか。ここから先は私が貴殿を案内しよう」

香織に連れられてエレベータで数階昇り、廊下の端にある一室に案内された。玄関こそ普通のマンションと変わりないものの広々としたリビングに綺麗に整ったキッチン、ホテルに置かれている様なふかふかのベッドのある寝室があり、これらをお嬢様とはいえまだ中学生の子が所有しているとはだれも考えられないだろう。しかも一部屋だけでなくマンションを丸々所持しているのだから無理もない。
彼女は目を丸くして周りをきょろきょろしながら注がれた紅茶を差し出されたところだった。

「どうした、そんなにそわそわして。なにか珍しいものでもあったのか?」

「い、いえ、相変わらずあいつが凄いなと思いまして」

「ふふーん? 貴殿が沙織のことをどう思っているのかは特別聞かないが、まずはお茶でも飲んだらどうだ? そのままでは落ち着かないだろう?」

「そうですね。いただきます。……あれ?」

「どうかしたのか?」

「いえ、ところで肝心の沙織がいないのですがあいつはいつ戻ってくるのですか?」

「ああ、ついに聞かれてしまったか。非常に言いづらかったためにここまで長引かせてしまったが、言わぬわけにもいかぬな。申し訳ないが、沙織は今この場にはいない」

「え? な、なんで?」

「大切な用事があることをすっかり忘れてた、だとよ。まったく、そういうのは先に確認してから約束しろといつも言っているのに。…本当に申し訳ない、あとで沙織にはきつく叱っておくからな」

「いえ、とんでもない! あいつの天然っぷりなんて今に始まったことじゃありませんから! あ……すいません、言い過ぎました」

「いい、むしろ罵倒を浴びせるようにどんどんあいつのことを語ってくれたまえ。…まあ沙織からの話では良い仲だと聞くからな。あいつの代弁になるが、貴殿が唯一本音を言い合える奴だと言っていたぞ?」

「あ、あいつそんなことを……」

彼女は赤くなった顔をうつむかせてもじもじしていた。まさかの香織の発言に動揺しているようだった。
香織はうぷっと頬を膨らませて口元をω(こんなふう)にして彼女のそばに近づいた。

「ちょっとなんですか!?」

「なに、沙織と話していた時のことを思い出したものでな。ふふ、貴殿もそんな顔をするのだなとな。いつも男勝りの性格をしていると聞いていたから今の貴殿が可愛く感じてしまったのだよ」

「男勝りって言わないでください! それであ、あの私そのような性癖はありませんので、その……」

「ははは冗談だよ。ただ、少し確認をしたかったのでね。確認も取れてこれで私も安心した。あいつに悪い虫が付いていないか不安だったからな」

「大丈夫ですよ。そんな虫が付いていたら私があいつを守りますから」

「そうか。ふぅ……こ、これはいけないお茶を出しておいて菓子を出してないではないか! すまない、今すぐ持ってくるから少々待っていてくれ!」

そう言うと香織は急いで台所の方へ行ってしまった。彼女は香織が姿を消したのと同時にため息をもらして肩の力を抜いた。

「はぁ、あれが沙織の姉貴か。全然性格が違うじゃん」

また一つ重くため息をもらして台所の方を一瞥した。
先程の動揺した時とは明らかに違う、真っ直ぐとした目で。

「しかし、あの人……沙織に姉貴っていたっけ?」

ほどなくして茶菓子を持ってきた香織が戻ってきた。茶菓子はいつものクッキーなどを焼いた菓子だった。
香織は笑顔で「さあ、遠慮せず頂いてくれ」とすすめ、彼女もそれに応じて一口二口と食べていく。

「しかし、やはり貴殿には悪いことをしたと思う」

「はは、いいですよもう」

「いやこのまま帰らせるのは忍びない。もし時間があれば見せたいものがあるのだがよろしいだろうか?」

彼女は香織に連れられるまま別室へと案内された。先程の部屋と間取りはほぼ同じだが、内部は全く異なっていた。例えて言えば、ここは「博物館」だ。見たことのないロボットの模型が大きなガラスケースにところ狭しと飾られていた。

「ここは?」

「ここは私のコレクションを収めた一室だ。といってもこれも数ある中の一つなんだがな。とりあえずご覧になられてはどうだろう?」

彼女は言われるとおり一通り見物することにした。部屋をほぼ一周して見物した結果、初めは同じロボットばかりで見るのが飽きてきたのだが、一台一台よく見比べてみると微妙な違いがあることに彼女は気づいた。

「どうだ? かっこいいだろ?」

「はぁ、全部種類が違うんですね」

「そうだ。素人目からしたらどれも同じに見えるだろうがここにあるのは全部別物だ。貴殿は良い目をしているな」

「それはいいですが、どうして私をここに?」

「ふむ、沙織から聞いたのだが、『オタク』という者を大層嫌っているとか」

「……はい。それが、なにか?」

「なにを隠そう、この私こそが正真正銘のオタクだ、といったらどうする?」

「……冗談はやめてください。笑えませんよ」

「冗談ではない。その証拠に今貴殿に見物させたものは『ガンダム』といってだな、児童、学生、中高年と幅広い層に人気を誇るロボットなのだ。いやこれが面白くてな、」

「あなたの御自慢は十分わかりました。もう用は済んだので帰らせていただきます。……よろしいですよね?」

彼女は先程のおどおどした態度とはうって変わって相手を威嚇し、睨みつけるような態度に変わった。これ以上なにかしたら殺す、そう目で言っているかのように。

「むむっもう少しソフトに言えばよかったか……貴殿の拒絶反応のことも考えずに発言してしまい軽率だった」

「くっ…また沙織からの入れ知恵ですか?」

苦々しく顔を歪めた彼女の様子はまるで病人のようだった。顔は蒼白で息が荒く、口を押さえて吐き気を我慢しているようだった。

「違う、違うのだよ。私が貴殿をここに連れてきたのは嫌がらせのためではないのだ」

「嘘です! こんな酷いことをしておきながら今更……」

「これは沙織からの頼みなのだが、貴殿のオタク嫌いを治す手助けをしたい。しかしどうすればいいかわからない。だから姉であるあなたに頼みたい。そう私に言ってきたのだ」

「さ、沙織が!? そ、そんなこと一言も聞いて…」

「今日言うつもりだったのだそうだ。でもあいつは急用で言えなかった。だからせめて私を通して伝えてほしい。そう言われたのだ」

「沙織……」

「すぐに治すことは不可能だが、徐々に彼らのことを理解していくことはできるはずだ。ゆっくり、時間をかけて焦らずに」

「…」

「気づいてあげられなくてごめんなさい。あいつ、そう言っていたな。………唐突な話になってしまったな。とりあえずまた居間の方に……うおっ!?」

香織が外に出るよう促した瞬間、突然大きな揺れが部屋を襲った。模型を入れたガラスケースが次々と倒れ、ガラスの割れる音が襲いかかった。

「きゃあ!」

「危ない、伏せろ!」

彼女と香織は近くにあった机の下に隠れた。頭を下にして体で覆うようにして縮まった。ガラスの破片が飛び散り彼女らに当たったが揺れている恐怖からか全く気付いていない。
それから数分が経ち、ようやく大きな揺れが収まった。それに気づいた彼女はゆっくりと机の下から立ち上がった。

「うわぁ、これはひどいな…」

展示してあったガラスケースはそのほとんどが全壊していた。割れていないガラスケースでも中の模型が原形を留めることなく壊れていて見るも無残な光景だった。

「あのぅ、もう地震収まりましたけど?」

未だに机の下で縮まっている香織に声をかけた。男勝りな性格だから苦手なものなんてないだろうと思ったが、まさかこのような弱点があったとは。可愛い面もあるもんだとこの時まではそう思っていた。
しかし様子がおかしい。揺れはとっくに収まったのに体を震わせながらまだ縮こまっているのだ。何か変だ。

「も、申し訳ございません。このような事態を予測していなかったので」

「え?」

ふらふらと立ちあがったのはサングラスが少しずれた状態で謝っている香織……ではなく、

「…………沙織?」

「え? いや私は……………!? 眼鏡が!?」

「お前、沙織だよ……な?」

慌ててサングラスをかけ直そうとするが既に手遅れだった。

「あんた、今日は用事があったんじゃなかったのか? で、なんであんたがここにいるわけ? 私……騙されたんだよ…ね?」

彼女の目からは光沢が消え失せ、じりじりと近づきながら尋問していく。
香織、改め沙織は目に涙を浮かばせながら口が半開きになって、パニック状態なのか全く声が出せずにいた。

「どうなの? ねぇ? ………………ねぇったら!!」

「ひっ!? ご、ごめんなさい! 騙すつもりではなかったんです! ただ……」

「ただ、何なの?」

沙織は言い淀んだのか言葉が続かない。無言が辺りを侵食していく。
この沈黙を破ったのは彼女だった。

「………あのな、私、言ってなかったけどあんたのことを信頼していたんだよ? いつも私のわがままに付き合ってくれて、先生に叱られた時もけなすどころか逆に何が悪いのかストレートに言ってくれたよな。私の趣味にも嫌がらずに付き合ってくれて、マジで最高のパートナーだと思ってた」

「………」

「マジで、最高の『友達』だと思ったんだよ……」

彼女は涙をにじませながらキッと鬼の形相でにらみつけた。沙織はひるみながらもしばらく無言だったが、ようやく重い口を開いた。

「謝っても許してもらえないことはわかっています。ただ、どうしても知っておきたくて」

「…」

「いつかあなたがオタク嫌いだということを知ってから、ものすごく悩みました。いずれ話さなければならない。しかし話したら一生わたくしを軽蔑するかもしれない。そしてわたくしたちの仲が裂けてしまうかもしれない」

「だったら親友を騙しても構わない、か」

「ち、違う! そういうことでは!」

「違わないよな? じゃあこのまま私を騙した後どうする気だったんだ? いずれバレるのは目に見えているだろうに。あんた、そこまで考えていたのか?」

「そ、それは…」

「ほら、やっぱりそうだ。自分のことしか考えていない。……思えば香織さんもなんかおかしかったんだよな。お茶の入れ方が誰かさんと瓜二つだし、何かと私と沙織のことを話題にしたがるし。まあこれですべて合点したわ。この様子だと、駅前で見たあのキモオタ姿も……」

「………」

「…もういいわ。胸糞悪くなってきた」

彼女は呆れた表情をすると、玄関の方へと向かっていった。

「あ、あの」

「来るな!」

「ひっ!?」

「今日から絶交な。もう気安く話しかけんなよ。……じゃあな、『清楚なキモオタ』さん」

彼女は含み笑いを浮かべながら部屋から退出した。

「…」

残されたのは地震で壊れたガラスケースに跡形もなくなった模型、それらに囲まれ地べたに尻をついた長身の女性だけだった。
女性は彼女が退出した後も目を大きく見開いたまましばらく動かなかったが、やがて狂うように笑いながら涙を流していた。


次の日から女性は学校を休んだ。

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