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たいがのゆううつ

このサイトはマイペースに二次創作や漫画・小説などを淡々と更新していきます。過度の期待はしないでください。あとPCのデスクトップから3m離れて見やがってください。

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涼宮ハルヒの憂鬱の二次創作を中心でやっていく方針です。あと自身の日々の徒然なる日記好きなラノベの紹介等も書いていきます。

社会人になり5年経ち、色々と考えなければいけない時期に来ているかも

最近はラブライブの曲ばかり聴いています
ラブライバーに、私はなりたい・・・

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製本作業完了。これから連続SS投稿します その三

まずはここで修羅場は終わりそうです

それでもまだ沙織さんの苦悩は続きそうです

「ん……」

物語の終結と同時に目が覚めた。そのためか妙に目覚めが良い。こんな目覚めは久しぶりだ。

「またあの夢……しかも今日は全部見てしまいましたか」

目覚めは良いはずなのに気分は決して良くはない。当然だ。あんな夢を毎日見ていては気分など良くなるはずがない。夢だが現実で起きたことに変わりはないのだから。

「しかし、あれからずっとあの夢を見続けるなんてやはりわたくしは未練が残っているのでしょうか?」

そう、あの日――地震の起きた日――から一ヶ月が過ぎた。
その次の日からわたくしはずっと学校を休んでいたのだ。最初は仮病を通していたが、途中から親や学校にも連絡せずに家に引きこもりがちになっていた。
その間は何をするわけでもなく、ただベランダから見える外を眺めながら泣いていた気がするが、今では詳しくは覚えていない。
そんな状況を親が見逃すはずもなく、心配して家まで訪問したこともあるほどだ。そして今日ようやく学校へ登校する日なのだ。
本当にようやくといったところか。いくら今まで学業に励んでいてもこんなに長期間休んでいては無駄になっていることはわかっていたのだが。

――じゃあな、『清楚なキモオタ』さん

「っ…」

以前体験した震えが突如襲ってきた。しかも手足だけでなく体全体にまで伝わってくるのだ。歯はガチガチ揺れ、足はそこだけ地震でも起きたのかと思うような激しい震え。

「くっ!」

歯は無理矢理噛みしめ、足は思い切り床に踏みつけて震えを一気に止めさせた。

「はぁ…はぁ……が、学校に行かなくては」

荒く息を吐きながら、わたくしは家を後にした。


「お姉さま!? もうお体の方はよろしいのですか!?」
「まだ無理をなさらぬ方が……」

「いえいえ、御心配なさらず」

沙織に群がる女子中学生たち。
いつもの光景……のようだったが、今日は何か違っていた。

「あの」

「はい?」

「あの方は?」

沙織の目の前には一人の見知らぬ人物がいた。綺麗に整われた髪に校則に準じた格好で華やかさがある。お嬢様と呼ぶに相応しい人物、のようにみえた。
いつもと違う風景だった。こんなには華やかでおしとやかな者はそうそういないはずだ。この人物は誰なのか? それにいつもいるはずのあの方は……?

「はい、それが、」

「あら沙織さんおはようございます」

振り向き際に挨拶してきたその人物を見て変な違和感を覚えた。丁寧な挨拶、口調、化粧などの身なり、そして可憐な花のように整った笑顔。一つ一つはとても上品なのだが、そのどれもが溶け合っていない。

「えっと、あなたは……?」

「あらあら、親友だったもののことを忘れるなんて悲しいですわよ」

まただ、変な違和感が。わたくしはこの人のことを知っている、そう体が覚えている。しかしこの方が誰なのか、わたくしにはわからない。

「お姉さまが分からないのも無理はありませんわ」
「失礼ですが以前はひどいお方だと思いましたが、お姉さまが休暇をお取りになられてから急に作法を改めるのですもの。びっくりしましたわ」
「まさかあの、」
「お姉さまと親しい――様だとは最初は思いませんでした」

――!!

「彼女」……? あの方が目の前にいる方?
思わず直視していると、彼女と思われる方が近づき、すれ違い際にこう言い放った。

「気安く話しかけるなよ、キモオタが」

ぼそっと言い放つと、彼女はそのまま学校へと向かって歩いていった。
わたくしは大きく目を見開き、汗が噴き出て、固まったまま動けなかった。こんな短期間で彼女の心が変わるわけがないのに、何を期待していたのだろうか。そう思っていても胸が痛い。腹の中から引き裂かれるくらい苦しい。

「お姉さま、大丈夫ですか? やはりまだ休まれたほうが……」

「心配無用です。わたくしも先に行きますね」

崩れそうな心を抑えながら彼女の歩いた後に続いていく。
わたくしは汗を拭くためにハンカチを入れたポケットに手を入れると、なにやら一枚の紙切れが入っていた。
手に取って見てみると「放課後、いつもの喫茶店へ。」と書かれていた。いつもの……? という疑問符も一瞬で解けた。この字は彼女のものだということはすぐに分かった。ということはその場所は、わたくしたち二人がよく利用していた喫茶店、以前彼女のオタク嫌いが明るみになった場所でもある。
これはチャンスかもしれない。彼女からわたくしに直接話したいことがあるのだろう。彼女にはわたくしからも話さなければならないことがあるし、それにやはり……このままではいけないと思うのだ。
わたくしは震える手を強く握りしめながら学校へと向かった。

放課後。
ホームルームが終わった後すぐに支度をして目的の場所へと向かった。
今日一日の学校生活を通して分かったことだが、現在の彼女は教科書の手本のようだった。授業態度、目上に対する言葉遣いや態度、身だしなみ、先生も唖然とするくらいの礼儀作法。唯一つ除くとすれば、あの違和感だけだが、多分あれは……。
その彼女の姿は、いつもわたくしの隣で歩いていたあの方は、今はいない。


「どうも」

「どうも…」

にこやかに挨拶をする可憐な人物。そう、彼女のことである。

「遅かったのでだいぶ待ちましたわ。貴女自身の用事は済みまして?」

「今日の用事はあなたとの話くらいですわ。それよりも…………あなた、無理をなさっていませんか?」

「…」

「以前のあなたのほうが生き生きしていた。でも今は心に余裕がなさそう。それに、」

「あんたに何が分かるってんだ? 詐欺師のあんたに何が?」

「…まだ話の途中ですわ。あなたのオタク嫌いは痛いほどわかりました。今さら謝罪などして許しを請うのも虫がよすぎるでしょう。ですので、ここではっきりと申し上げておきます」
「わたくしは自分の趣味や人間関係を簡単に捨てることなどできません。…いえ、これ以上捨てたくはないのです」

「…何が言いたい?」

「あなたが嫌悪しているオタク趣味もあなたとの関係もやめるつもりはない、ということです」

「……」

「お願いします。今まで通りにまたお話したりお茶を飲んだりできませんでしょうか? こんなことを言える立場ではないのはわかっています。しかし、このままあなたと絶縁なんてしたくない」

「……あんた、私がどうしてこんな格好や振る舞いをしているのか分かるか?」

「え? な、なぜ?」

「留学するんだよ。言ってなかったけど海外でやりたいことが見つかってな、その予行練習みたいな感じさ。まあまさかあんたに駄目出しされるとはな、私もまだまだってところか」

「そ、そんな。そんなことわたくしは聞いて…」

「決まってんじゃん、今言うために言ってなかったんだもの。何を言ってるんだか」

「…」

「実を言うとな、私はあんたを尊敬していたんだ。変なところでずれていることを除けば、すべての面でいつかこうなりたいと憧れていたんだよ。……でも、もう負けない。あんたが変な趣味を捨てないのならば、私はその間、何歩でも進んでやる」

「…」

「……平行四辺形の定義は覚えているか?『二組の対辺がそれぞれ平行である』。…これ、私たちのことを言っているみたいじゃないか?」

「二組の対辺は、決して交わることはない……」

「そう、そういうこと。言いたいことはこんなもんだわ。じゃ、私はこれで」

「…くっ」

我慢していたものが溢れ落ちそうになってくる。
彼女の心はすでにわたくしの手の届かない場所に行ってしまっていた。もう誰の手にも負えない修復不可能な機械のように。
わたくしはいつもこんな感じだ。思えば姉の結婚を機に自分の大切な人をどんどん失っている。一人は卒業のため、さらに喧嘩、事故、転校、病気。誤解、甘え、楽観。そしてまた一人留学という目的でわたくしから離れようとしている。
自分の所為が原因とはいえ、これはあまりにも残酷なことだ。いったいどれだけ味わえばこのループから脱出できるのだろうか。何度経験すれば親しい人間と関係を築けるのか。
涙ばかりみる自分が許せない。相手を傷つける自分も許せない。怒れども同じことを繰り返すことにやるせなさを感じてしまう。

「ひっく…うぅ…」

堤防という名の感情が一気に崩壊し、ついに溢れ出てしまった。それは口のところまで流れだし、薄い塩味が全体に広がった。

「ちっ」

「うぅ…」

「しゃーねぇな。可哀想な姫様に耳寄りな情報を教えてやるぜ。重度のキモオタのことだ、ネットなんて日常茶飯事にやってるんだろう? あんたはそのネットってやつで『SNS』という単語を調べてみな。恐らくあんたの望んだ世界に行けると思うぜ」

「えぅ…? わ、わたくしは、そんなものより、あなたと…」

「くどい。女に二言はねぇ。それじゃ今度こそ私は行くよ。……もう二度と会わないと思うけど」

「うぅ…」

今度こそ彼女は本当に足早にこの場から立ち去っていった。わたくしは立ちつくしたまま、ただただ泣いているだけだった。
そうして彼女は別れを告げ、翌日にはそのまま海外へと行ってしまった。いつの間にか片付けて綺麗になっていた彼女の机、ロッカー。もう最初からこの方はいないのだと告げているかのようだった。
某航空機内にて。彼女は飛び立ち今まで親しんだ土地を窓から眺めながらぼんやりとしていた。

「ったく、……今さら……遅ぇんだよ」

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