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たいがのゆううつ

このサイトはマイペースに二次創作や漫画・小説などを淡々と更新していきます。過度の期待はしないでください。あとPCのデスクトップから3m離れて見やがってください。

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涼宮ハルヒの憂鬱の二次創作を中心でやっていく方針です。あと自身の日々の徒然なる日記好きなラノベの紹介等も書いていきます。

社会人になり5年経ち、色々と考えなければいけない時期に来ているかも

最近はラブライブの曲ばかり聴いています
ラブライバーに、私はなりたい・・・

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後悔と希望 前編

私は愚かだ。何をやってるんだとずっと己に問いかけた。
そんな時が高校時代、たった一度だけあった。
初めて自分の中でもやもやした気持ち悪い何かが渦巻き、自らを苛立たせた。
今でも忘れられないあの日のことだ。


後悔は・・・・していないつもりだった。


始まりは、高校二年の春。鮮やかに咲き始めた桜を祝うかの如く澄み切った青天のあの日だ。
私は毎年恒例の新入生一本釣りを行うために、校内をウロウロしていた。すると、階段の踊り場の方から勇ましい男子の叫び声が聞こえた。隠れてその様子を見てみると、眼鏡をかけた見かけない男子と一般女子よりも一回りも二回りも小さい女子がいた。多分新入生だろう。

「いい! 噂どおりだ! そのストレートな所に惚れた!」

その様子から察するに、眼鏡の男子の告白といったところか。
男子の方が叫んだ途端、西洋人形の如く小柄な女子は鬱陶しそうな表情をしながら男子に右フックをかました。その容姿に似合わぬ腕っ節をもって相手を屈服させ、猛々しくその場を去っていった。
男子はしばらく苦しそうにうごめいていたが、やがて溜息混じりの、憂鬱感の浮かぶ顔で一段目の階段に腰を掛けた。
――こいつは真性の 『馬鹿』 だな・・・私ははっきりそう思った。そりゃあ近づいたら殺すよ? と焦燥感が高まりまくっている奴に変に行動を起こしたらあのような結果になるわな。
だが、しかし面白い奴でもあると思った。今まで今年入学した一年次どもを見てきたが、ここまで威勢がよく、ここまで 『馬鹿』 になれる野郎は初めて見た。まあ先程告白した女の方が勇ましかったことは伏せておくが。
私は迷わなかった。今年度の有望な人材だと、確信をもって生徒会の上級生にも自慢できるくらい。

「おい、そこの新入生!」

男子は振り向き、阿呆みたいに口を開けたまま私を見つめている。私は言葉を続ける。

「先程の一部始終を見させてもらったぞ。ふられたみたいだな? 大丈夫、長い高校生活色々な事がある。そう、まだ始まったばかりだ! 私について来い! どっさりとある事務仕事で多忙にさせお前を立ち直らせてやる! 言っとくが、お前に拒否権はないからな!」

呆然として動かない一年男子の左腕を引っ張りながら生徒会に連行させた。男子の方は未だ何が何やらよく分からないような顔をして、流れるままに入部届けの印を押していた。


これが、北村祐作との初めての出会いだった。


その年で入部させた一年は限りなく少なかったが、北村は同学年は勿論、上級生にも劣らぬ事務処理能力を持って庶務の仕事をこなし、かつソフトボール部の活動も兼ねていた。やはり私の目に狂いはなかった。こいつはできる奴だったのだ。ただ、一つ気になる部分を除いては。

これは夏休みのある日の生徒会の集まりの話だ。
この日は本来午前中に集まるつもりだったが、北村がソフトボール部で練習があるので午後に日程をスライドされた。
北村が私たちと合流した後、暑さの和らぐ時刻でのこと。

「副会長すみません、この部分はどうすればよろしいでしょうか?」

「ふむ、どれみせて・・・っくせえ! てめえ、北村妙に汗臭えじゃねえか!? その状態で生徒会室にいるとはいい度胸してんじゃねえか?」

「え・・あ、すみません、部活を途中で抜けてきたもんで」

「いい訳は聞きたくねえ。さっさとシャワー浴びてきやがれ! 臭くて鼻が折れそうなんだよ!」

「わ、分かりました!今すぐ浴びてきます!」

「さっさと行ってきやがれ! ・・・てここで脱ぐな!」

「え、でもその方がシャワー浴びるときに楽で」

「てめえは・・・ほんとに真性の 『馬鹿』 だな!」

言葉どおりの意味だ。北村は、本当に馬鹿・・というよりもむしろ天然に近いと言ってもよいかもしれない。暑くなると、生徒会室で女子がいても気にせずYシャツを脱いで半裸状態になるし、6月にあった生徒会会議では三年の女子の先輩に 「すいません、先輩がトイレに行きたそうなので中断したほうが良いのでは?」 と色んな意味で空気の読めない発言をしたり、とにかくこいつは正直すぎるのだ。


それが私は快く思わなかった。
北村は・・・そのままではいけないのだ。


しばらくして、北村は非常に爽やかな表情をして戻ってきた。先程の自らの汗でベトベトになっていた体が嘘のように涼しげになっている。

「あれ、他の人たちは?」

「他の同級生や上級生は私が少しばかり席を外してもらうように頼んでおいた。北村、お前に話がある」

「俺に・・ですか?」

「ああ、知っていると思うが10月には生徒会長立候補選挙があってな。私はそれに立候補する予定だ。その際に副会長は生徒会長が任命することができるのだが、」

「副会長には、お前を任命しようと思っている」

「え・・・?」

北村は丸い目を見開いて、小さく口を開けたまま呆然としていた。その顔で思わず笑ってしまいそうになるのを必死に抑える。

「言っとくが、一切の反論は認めないぞ? 副会長の業務内容なら教えてやってもいいがな」

「本当に・・・俺でよろしいのですか?」

「しつこい奴だな!お前は黙って私の後についてくればいいんだよ!」

北村は呆然とした顔から最近咲き始めたひまわりの様に満面の笑みを浮かべて、起立、上半身をほぼ正確に45度前方に傾倒させる最敬礼を行い、 「ありがとうございます!」 と相変わらず威勢のいい声を発した。

私の話を聞いていた時の北村の瞳にはこれからの希望に胸を躍らせるような輝きが見えた気がして、私はそれがとても喜ばしいことだった。何故なら、彼の表情が拒絶等の反応を示すことに、自分自身で恐怖を感じていたからだ。何故恐怖を感じたのか分からなかった。多分、有望な人材が年々減っている中で見つけた宝を無くすことがそういう感情を植え付けたのだ、と思った。


その時までは、そう自分に言い聞かせていた。


「その話はとりあえず置いとこうか。もう一つ私がお前に物申したいことがある」

「・・・」

返事がない。もう一度呼んだがやはり返事がない。まるで時間が止まったかのように45度のお辞儀を保ったままピクリとも動かない。・・こいつまさか最敬礼しながら本当に死んでいるわけじゃないよな? いや、北村なら有り得ることだから余計に怖い。少々手荒だが、ずっとこのままだとこっちが困るからこの方法で起こしてやろうか。

「北村・・・おい、北村・・・・・いい加減に起 ・ き ・ ろ!!!!!!!」

「・・・うぐっ!!!」

腹部目掛けてアッパーカットを容赦なく思い切り打ちこんでやった。北村は綺麗に円を描きながら吹き飛んで勢いよくそのまま床に落ちていった。

「いたた・・・・ っは !! 俺は一体何を !?」

「いいからさっさと起きやがれ!話を先に進めなくてイライラしてんだよ!」

打ち込まれて立ち上がれない北村を尻目に、私は先程から言いたくてうずうずしていたことをマシンガンの如く標的に撃ちまくってやった。

「てめえの耳をよくかっぽじって聞けよ? お前は自分の性格に対して一度でも考えた事があるか? ・・・無いようだから教えてやる。お前は正直言って行動 ・ 言動ともにバカなんだよ!バカすぎるんだ!それのせいでどれだけ仕事に支障をきたしてんだ? もっと冷静沈着にあらゆる角度から物事を捉えることを考えろ! それができねえんだったらお前は絶対将来後悔するぞ!?」

私流マシンガントークを乱れ打ちしたためか、北村は再び小さく開いた口が塞がらない呆然とした状態で聞いていた。そんな状態にも気にも留めず、私は北村にこう付け加えた。

「それだけだ。私が言ったことをもっと冷静に、賢くなって考えてみろ。私のように・・・な」

それだけ言って、私はあらかじめ教科書や筆箱、生徒会の書類を詰めておいた鞄を手に取り、席を立つ。

「今の話。忘れんじゃないぞ? 私は、お前の事を信じてるからな」

いまだに呆然としている北村に 「じゃあな。残りの仕事頑張れよ」 と一言つけて、生徒会室を後にした。
――北村は、もっと高みを目指さなくてはならない。こいつは何処までもいけると思った。ならば、こいつの馬鹿で、正直な部分を私が改善して導いてやろう。でなければ、上級生が認めることもないし、同級生や下級生がついていくことは殆どない。周りが認めないのならば、私がどんな手を使ってでもこいつを周りから認められるぐらいにこきを使ってやろう。
私は、北村をあの人に胸を張って自慢できるような存在になってほしい。私たちの英雄みたいに。会長立候補は以前から決めていたが、副会長任命はあいつが、北村が入部したときに決めたのだから。
さて、もう少し使い物になってあいつの性格が改善されてきたら、私の夢でも語ってやろうかな。あれは今のところ家族、先生の他にはあの人しか教えていないからな。


それまで・・・私が納得できるぐらいにはなれよ。
北村。


続く
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