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たいがのゆううつ

このサイトはマイペースに二次創作や漫画・小説などを淡々と更新していきます。過度の期待はしないでください。あとPCのデスクトップから3m離れて見やがってください。

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涼宮ハルヒの憂鬱の二次創作を中心でやっていく方針です。あと自身の日々の徒然なる日記好きなラノベの紹介等も書いていきます。

社会人になり5年経ち、色々と考えなければいけない時期に来ているかも

最近はラブライブの曲ばかり聴いています
ラブライバーに、私はなりたい・・・

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後悔と希望 中編その2

パッチリと目が覚めた。これ以上ないほどの目覚めの良さだった。今日はあんなことがあったのに、気だるさや眠気が全くないのだ。しかし、その時が夜だったという事実を除けば大いに喜べたのだが。

「・・・ちぃ。まだ一時かよ」

そう、現在の時刻は真夜中の一時を過ぎたばかりであった。窓に目を向けると、上弦の月が街灯の少ない片田舎に光をもたらしている様子がうかがえた。
今日は色々な意味で最悪な日だった。図書館では何度も呆けていたらしく、勉強が全くと言っていいほど進まなかったり、私のそばにいた友人から私の恋愛話をしつこく迫られたり。そう言って、そんな状況を作り上げたのが他ならぬ私自身だから余計にこの状況を収拾できないでいる。

「やはり・・・・するべ」

突然ノックする音が聞こえて軽く驚いてしまった。誰だよ、こんな夜中に。

「あの・・すみれ?まだ寝てないのなら、中に入れてくれる?」

・・・あぁ、マリーか。しょうがねえな、今開けるからちょっと待ちな。
溜息をつきながら立ち、木製のドアをゆっくりと開けた。目の前の金髪女が真剣な眼で私を見つめている。彼女は何も言わないで私のベットに座り、

「一緒に・・・寝ない?」

はぁ・・・高校生にもなって友人と寝ることになろうとは考えてなかったよ。まして今は留学している身であるのにな。ベットの敷地面積が半分になって落ちそうじゃないか?これでは余計に寝られそうにない。そんなことより、

「マリー、お前、用事はこれだけじゃあないんだろ?他にあるんじゃないか?」

「はは、ばれちゃったか」

こいつはいつも意地悪そうな顔で私をおちょくる癖に、今の相手は本当に申し訳なさそうな顔をしてやがる。ったく、こいつは・・・。

「………いいよ。話すわ。ここに来る前の 『半年間』 の話をな」

「い、いいの!?」

「ああ、だがよく覚えておけ。これはお前と私だけの秘密だ。ここの主人はともかく、大学関係の奴らには何があっても漏らすな」

「大丈夫よ、そんなことするわけないじゃない。私たち、友達でしょ?」

そう言うマリーの顔からは誰もが和みそうな笑顔がほころんだ。
そんなに話を聞きたかったのかよ?全く、変わった奴だよ・・・。
私は追憶にふけるように一つ一つ掻い摘んでいった。

私が生徒会長となり北村を副生徒会長に推薦し仕事がある度に呼びまわし何度も付き合わせた事、今年入部してきた(正確には私が入部させた) 不幸な庶務を北村と一緒におちょっくった事、その庶務を私の過剰なまでの天然で馬鹿な妹を引っ付けるために北村と組んで手助けをした事、その過程でアルバムの写真を捏造するための合宿にていつ酒を飲んだのか確かな記憶は無いのだが高校のプールで大はしゃぎした事、そしてそこで生徒会みんなの夢を語った事、文化祭を盛大に盛り上げた事をまず話した。……そして…

「その文化祭の次の日の慰労会で、私は………」

先方の都合で留学する日が早まった事を伝えた。その知らせは私自身にも急なものであったが、早ければ早いほどいい。そう思い了承した、と。私の妹はもちろんその事実について知っていたし、他の生徒会役員、文化祭実行委員全員寂しそうな顔をしたが頑張れよだの外国に行っても元気でいてくださいだのエールを送ってくれた。
しかし、その時の北村は私に何も言わなかった。何でもいいから言って欲しかったと心の片隅で密かに私は思った。
それでも、今思えば言えなかったのかもしれない。私の記憶が間違ってなければ、その時の北村は目から生気が抜け茫然としていた様子だったはずだから。

その数週間後、北村は…グレた。短髪を金色に染め、部活動には無断で休み、生徒会長立候補は辞め、ついには学校にさえ来なくなった時があった。それと同時に、私ともその間全く口を利かなくなった。
その時の私は、これ以上ないまでの動揺と自身に対する責任感が大きく私の心を乱れさせた。
何故…お前はこんなところで変な道に行くんだ? お前はそんなことをしている暇はないだろう?
あの川嶋とかいう猛獣女と同じクラスの女が私にチクリと言った。原因に心当たりがあるのではと。無論、あった。あったというか、原因そのものが私だと分かっていた。しかし、そう思いながらも北村には失望していた。そんなことで生徒会やその後の人生を台無しにするのならば、もうお前とは関係ないと。
ただ、やはり寂しかった。こいつなら私を分かってくれるかと思ったのに。笑顔で送ってくれると思ったのに。
そういう意味での失望の方が大きかった。
ただ、その後は猛獣女とそれにいつもついている高須という男が、北村のために生徒会を支配するだとか言って立候補して北村のやる気を出させようとしたのは、途中大いに笑わせてもらったが良い友人を持っているなと感心した。私はもちろん直接は干渉しなかったが。そのおかげで北村は生徒会長に立候補すると言ったらしいのだが。
…こいつは直前になって迷いが生じたらしい。んで結局辞めるだのと言いやがったのさ。こいつは私に一本釣りにされて過ごしてきた二年間がどうのこうのとかほざいたり、現実を受け入れられないとか何だとか………。
わたしはもう我慢ならなかった。
そう思った瞬間、私は頭の意思とは勝手に体は北村の方へ動き、口は北村へ罵倒ではなく今の今まで言えなかった北村の未来へのエールをこれまたマシンガンの如く撃ちまくってやっていた。
私が去ったあと、後ろから急いで駆けだす足音が聞こえた。…ったく、廊下は部活動以外走るのは禁止なんだぜ? まあ今日だけは注意せずに知らなかったふりをしていてやるよ。早く恋ヶ窪先生のもとに急ぐんだな。
これで安心した。北村がやっと決意してくれた。これで、私は気兼ねなく留学する事が出来る。

しかし、それは間違いだとすぐに気付いた。何かまだもやもやしたものがねっとりと私の中で絡みついて離さない。
そのもやもやしたものが、この後すぐに判明してしまう。

「生徒会長選挙の当日のことだ」

あいつはグレた事なんてなかったみたいに堂々と体育館のステージに立ちやがった。この時だけはあいつが輝いて見えちまったさ。不意にそう感じた自分が少し恥ずかしい。

『ただいまご紹介にあずかりました、北村祐作です。私は、――いや俺は』

さあ、言いたい事を全部吐いちまいな。これからはお前の独壇場だ。この学校をどうするのか、どうしたいのか、残さず出せ。
緊張した目つきで一瞬私に目配りをした。気にするな、私はお前を…

『俺は、会長、あなたが、好きだ―――――――――――――――!!』

マイクのボリュームをこれでもかというくらいに大音量で叫び放った。今までの気持ちを全開放する勢いで。
私は開いた口が塞がらなかった。頭の中は真っ白。完全に思考は停止していた。
北村が熱意を込めて演説しているのはわかる。だが、肝心の中身は殆ど聞き取れなかった。聞き取れたのは、最後のこの言葉だけ。

『…――望みは――ゼロですか!?俺と会長の間には、本当に、特別な縁などないのでしょうか!?』

そして、一礼。
もやもやしたものがまた蠢きだした。しかも、それは今までの比ではないくらいに暴れだしていた。
――お前……自分が何を言っているのか分かってるのか…?
その時に北村に返した内容は、いつものようにそっけなく北村に一票よろしくと宣伝してやった。
これでいい。これでいいのだ。あんな馬鹿な事をあいつは言うのだから、本当は怒鳴ってやりたかったのだが今日はあいつの晴れ舞台だ。それを汚すのは可哀相だろう。…そう思ったが、もやもやが消えない。
生徒会選挙が終わり、教室に戻ろうと廊下を歩いていたら、北村と同級生の高須という奴が私を呼びとめた。
高須が私を呼びとめた理由は、予想通り北村の事についてだった。昨日私が北村へのエールで前を押した。なのに、何故あんな回答で 『逃げた』 のか。あんなにも平気に。

――ズキッ…

『そうやって……また逃げるのかよ……』

『賢くって……あんたみたいにかよ!』

――ドクッ…ドクッ…

痛い…気持ちが悪い……。
告白しろとは言ってないだとか、逃げる事は悪い事ではないとか、自分は器用に賢く生きるために逃げる…とか言った覚えがある…が気持ち悪い……全部が思い出せない。思い出すと、体内にあるものを全部嘔吐してしまいそうだ。
私の中にいる虫が、早くここから離れろと命令する。それに従って早急に話を切り上げようと、高須に言った最後の一言だけは忘れる事が出来ない。

『……あいつがわたしみたいに賢くて 『悪いヘビ』 に利用されないようにな』

そして、あいつが、猛獣女こと逢坂大河が木刀を持って私のクラスへ殴りこみに来た。
物凄い形相だった。リアルな猛虎よりも殺気立った小さな肉食獣。あの二年の生徒会の一本釣りの時とは違うものだとわかった。

ここからは前回マリーに伝えられなかった回想通りだ。もう自分がその時に何を言ったのか詳細を思い出せない。
仮に思いだしてしまえば、そこで私の心は壊れてしまう。そんな恐怖が襲うから。
ただ言える事は、このもやもやした気分はただの感情ではなかった。元会長を気にしていたこと以上に北村を意識していたのだ。ただ、このまま進めば間違いなくそれぞれ別の道へ進まねばならないだろうこともわかっていた。
いつも一緒にいた奴がいなくなる。それを、自分自身で早めてしまった。もっとあいつをこき使ってやりたかったのに。
簡単な話だ。私は、あいつが……私の目から離せなくなっていた。あいつの性格がどうとかではない。あいつのことでできることならば何でもしてやりたい。これを恋愛心理でないとしたら何なのだろうか?

ここまで話してふと気付くと、布団が水でびっしょり濡れていた。それと同時に、大量の涙を流していたことにようやく気付いた。

「ありがとう、話してくれて。辛かったでしょう、この間の日々が」

マリーが同情でもなく、憂いでもなく、ただ優しく微笑んでくれて私の中の何かが弾け飛んだ気がした。

「……あぁ」

私はただ、そう返事をした。
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